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今実家のある大牟田に戻っている。先週は東京に行っていた。
この ヘレス ― 東京 ― 大牟田 の三角地帯ってひたすら遠いと思うのだ。
物理的な距離は埋められないけど、どうにか気持ちだけでも近くならないものかといつも思うけれど、やっぱり遠いものは遠いのだ。

今年は色々な事があった。
年の初め、日本に一時帰国していたのだけど調子が悪くて、一度スペインに戻り向こうの病院で検査をして、結局すぐに日本に戻る事になってしまった。
病院に行って思ったこと、今まで考えていたこともあって、決断。夏に11年間住んでいたピソを引き払って秋まで知人宅にお世話になっていた。
どうしてもやりたい事、でも出来ない事。スペインに来て10年以上も、多分色々言い訳をして見ないようにして、やり過ごしてきたことを考えてしまった。

今回住んでいた家も日本に帰るまでという約束だったので、帰国前次のお家に一部荷物を運び、それ以外は元の家にまとめて置かせて頂いて日本へと出発した。
今回引っ越しと帰国準備、その他やらなければならない事が重なって、とにかく気持ちが色々な所にあって、パスポート忘れた事件が起こった。(本当は持ってました。)
ヘレスからバスでマドリ―に向かったのだけど、乗った時はとにかく疲れていてそのまま眠り込んでしまい、起きて急にパスポート忘れた!と思ったのだ。
カバンにしまった記憶が全くなく、どんなに考えても引っ越し荷物のどこにしまったの記憶もない。
ちょうどコルドバでの休憩に入る所だったので、車掌さんに理由を伝えスーツケースの中を見たいと言ってみた。
今長距離バスって途中で荷物入れを開けることが出来ないのだそうで、「でも、忘れたことが今わかってどうするの?」という答え。
その時夜中の2時、確かにそうだ。ヘレスに戻る事は出来ない。慌てる必要はないのだ。
そこから翌日の行動を考える。
飛行機まで時間があったので、まず大使館に行ってみようと思った。
だけど悪い事にその日は日曜日。
それで調べた所、緊急の場合用の休日窓口があるそうで、そこに連絡してみようと計画。
航空会社に連絡を入れてみるとか、マドリーまで色々なパターンをシュミレーションし、バス停について朝食を済ませて一息ついてから、念のためリュックを探した所奥深くにパスポート発見。
そうなのだ。今回は忙しくなりそうだったので、その前に大事なものを全部まとめて先にリュックの中に入れておいたのだった。
まずは落ち着いてみる事だ。

慌てて空回り。
ほっとしたと同時に、これまでの疲れがどっと出て無性に悲しくなった。

今年は変化の年だった。
色々とやる事があって気が付いたらもう年末。
私のかわいいキンカン(カナリアです)はヘレスで人に預けて来た。
スペインってカナリアのコンクールがあって、時々沢山飼育している人がいる。キンカンを預かってくれたのもそんな人だ。
毎週写真を送ってくれて、とてもありがたい。
写真を見ると、いつもリンゴやレタス、キュウリなんかをもらっていて、一人で広い鳥かごを独占していて、安心するのだ。